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#54 理学療法士と鍼灸師と柔道整復師で迷ってます?

「理学療法士、鍼灸師、柔道整復師…どの資格を取るか迷っています」といった相談であったり、話を聞くことがあります。共通点は国家資格くらいで、それぞれ専門性や主に働くフィールドが違うわけですが、どれにしようか迷う人もいるようです。

迷うこと自体はおかしなことではないと思いますが、理由を尋ねてみると、例えばパーソナルトレーナーを目指している人であれば、「何か医療系の国家資格があった方が良さそう」という理由を聞くことがあります。

そのように考えること自体がおかしなことだとは思いませんが、「あった方が良さそう」くらいで時間をお金と労力を費やす価値がどれだけあるのかということは、考えておいた方が良いようにも思います。

私は理学療法士なので、理学療法士のことしか詳しく言えませんが、少なくとも実習中は働くことが出来ませんから、既に働いている人であれば、それが可能な環境か、フリーランスであればその間は収入がないということになります。

長期実習ともなると大凡8週間×2回は臨床実習がありますし、まあまあ大変なので1日の実習を終えてからスポットで働けるとしても、仕事を終えてからデイリーノートやレポート作成したり、調べたりすると殆ど睡眠時間は確保出来ません。

学校によっては実習地が県外ということもあります。私の学校はそのような学校だったので、色々な土地で実習を受けました。

「あった方が良さそう」という動機でも、十分乗り越えられるかも知れませんが、学校に通うのであれば、もう少し強い動機があった方が良さそうです。

それぞれの資格は専門性も違いますから、当然カリキュラムも違います。今はネットで簡単に調べることも出来ますし、学校の資料請求も簡単に出来ます。体験入学や説明会もありますし、実際に働いている人とコンタクトすることも出来ると思います。

ただ、理学療法士と言っても、色々な領域で働いていますし、同じ領域でも多様性に富んでいるということもありますから、そういった取り組みで知ることが出来ることは限られているかも知れませんが、出来ることはたくさんあると思います。

先ほどの例では、パーソナルトレーナーを目指している人が、「何か医療系の国家資格があった方が良さそう」ということでしたが、そもそもどんなことが出来るようになりたいか、どのようなパーソナルトレーナーになりたいか、何故パーソナルトレーナーになりたいか、パーソナルトレーナーでしか出来ないことは何か…そういったことも考えた方が良いのかも知れません。

きっちりとトレーニング指導が出来るようになりたいのであれば、自分自身で継続してトレーニングをすること、トレーニング指導が出来る人から指導を受けること、トレーニング指導をする機会を確保すること、トレーニング指導に必要な知識を身につけること…など、色々取り組むべきことがあるはずです。

トレーニング指導に必要な知識を身につけるために、理学療法士、鍼灸師、柔道整復師の養成校に通う…確かに関係あることも多々あると思いますが、トレーニング指導の専門職になるための学校ではないので、選択肢として上位に挙がるかと言えば、少々疑問です。

それなら、NSCA、ACSM、NASM、NESTA、JATI…といった様々な団体がありますから、それらのテキストを何度も読んだり、セミナーに参加するなどして、現状の理解度の確認や最低限の知識ラインに到達しているかという意味でも、資格試験を受けるといったプロセスの方が効率的かも知れません。英語で勉強して受験するものもありますが。

【参考記事】

(リ)コンディショニングメモ

#8 何の資格が良いですか?

#66 NSCAのエッセンシャルを読むという選択肢

トレーニング指導の国家資格はありませんし、もしパーソナルトレーナーとして仕事が出来ないかも知れないことを考えて、医療系の国家資格を取っておきたいと考えるケースもあると思います。

そういう考えももちろんあると思いますが、それなら、理学療法士、鍼灸師、柔道整復師のそれぞれの専門性と主に働いているフィールドについて、しっかり調べておいた方がよいと思います。

「何か医療系の国家資格があった方が良さそう」ということで、実際に学校に入学して国家試験に合格して資格を取ったとしても、実際にその領域で働くことがなければ、ペーパードライバーということになります。ただ資格を持っているだけで実績がないということです。

【参考記事】

(リ)コンディショニングメモ

#88 もし新卒理学療法士がフィットネスクラブで働いたら

勉強したことが活きるというのはもちろんあると思いますが、トレーニング指導をメインに行うのであれば、トレーニング指導の経験と実績を積むことが何より重要だと思います。

自身の軸は何かということを明確にして、その軸を補強するために他の領域を勉強する必要があると判断するまでに至ったプロセスなのであれば、理学療法士、鍼灸師、柔道整復師のどれが良いか迷うというのは、そもそもないかも知れません。

今回はパーソナルトレーナー志望の人を例に書きましたが、こういったことは、例えば既に理学療法士として働いている人も当てはまると思います。具体的な課題があって、他の専門性について学ぶのと、何か役に立つかも知れないと学ぶのでは、違ってくると思います。

実際は、それぞれの専門性が全く別というわけではなく、オーバーラップする部分はあるわけですから、一概にどちらが良いかとは言えません。学んでみて初めて分かることもあるはずですが、養成校に入学するかどうかという話であれば、もっと色々考えて調べた方が良さそうと感じることがあります。

ちなみに私は行き当たりばったりのところがありますから、やってみる、進んで行く中で、順次対応していくということもあると思います。まあ色々な道があるということで、今回の内容もただの個人的な視点のひとつに過ぎません。

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