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#53 「肩甲骨はがし」について

SNSを眺めていたら、整体だったか忘れましたが、「肩甲骨はがし」というメニューを見かけました。メニューにあるくらいなので、「肩甲骨はがし」とは何かというのは、わかる人もいるのでしょうか。それとも「これは何ですか?」という質問をきっかけにおススメ出来るということもあるかも知れません。

肩甲胸郭関節は仮性関節ですから、肩甲骨と肋骨の間に関節軟骨はありません。特に肩甲骨下角付近は肩甲骨と肋骨の間に指を滑り込ませやすい部分ですから、この付近から肩甲骨を肋骨から文字通り「引きはがす」ように操作することを「肩甲骨はがし」と呼んでいると思います。あくまで推測ですが。

いわゆる一般的には、「肩甲骨」と言っても、自分のどの位置にどんな形で存在しているか知らない人も多いと思います。ですから、「肩甲骨はがし」をされた時の新鮮な感覚や、他者を観察した際のインパクト、された後の上肢の動かしやすさや上肢の可動域の変化(あれば)を実感することによって、「これは凄い技術だ」と思うかも知れません。

あくまで技術的に問題がなければ、利用者が満足すればそれで良いのかも知れません。ただ本来は評価なしに、「肩甲骨はがし」に必死になるとすれば、ネガティブな影響がないとは言えないと思います。例えば、肩甲骨は上腕骨や鎖骨と関節を形成していますし、筋など軟部組織を介して脊柱、後頭骨、舌骨、腸骨といった骨との繋がりがあります(筋膜々の話は置いといて)。

そのように考えてみると、肩甲骨の可動域や可動性が変化するということは、他の部位へ影響があるかも知れません。評価なしに肩甲骨はがしをすることで、偶然にも他の部位へのポジティブな影響を与えるかも知れませんし、ネガティブな影響を与えるかも知れません。全体としての問題なので、ここでは何とも言えませんが。

既に何らかの症状があるケースで評価なしに行うことで、症状が悪化することも考えられますから、肩甲骨はがしに限ったことではありませんが、人の身体に触れること(トレーニングもそうですが)は、安易に行わない方が良いと思います。

「肩甲骨はがし」という言葉は特に、「はがし」ですから、はがれるまで頑張るということで強引に行うこともあるような気がしますから、気をつけた方が良いだろうなと思います。もちろん私自身も身体に触れる際に気をつけるべきことです。

「骨盤矯正」という言葉はよく見聞きします。昔からあるような気もしますが、「肩甲骨はがし」もこれからよく見聞きするようになるかも知れません。まあ、「骨盤が歪んでますよ…はい歪みがなくなりました。○○円になります。」という、本人の自覚がない状態で行われるよりも、「肩甲骨はがし」はそれと比べてわかりやすいかも知れません。

【参考記事】

(リ)コンディショニングメモ #29 「骨盤矯正って何ですか?」

「歪んでますよ…はい歪みがなくなりました」では、「憑りついてますよ…はいお祓いしました。」みたいなもので、本人はわかりませんから、本当に良くなったのかどうかわからないかも知れません。本当かウソかという話ではなく、持っていき方の話です。

健康に関する商売と言いますか仕事は色々ありますから、本当に対象者にとって有益なものを提供出来るのであれば、「分かりやすさ」と「インパクト」というのは必要かも知れません。専門職同士のコミュニケーションと、一般の人向けのコミュニケーションは違いますから、後者の内容は厳密性を欠くことはある意味仕方ないとも言えます。

例え専門職からはツッコまれるような看板であっても、内容は適切なものを提供するということであれば、そういうスタイルも否定されるものではないようにも思います。ただどうしても専門職はその辺りがかなり真面目なので、する方も見る方も厳しく考えることはあるのかも知れません。

まあ、「筋トレすれば大概のことは解決する」というのも、面白おかしく多くの人にウケてるわけですから、そのような柔軟さというのはあって良いと思います。

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