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#43 左右差の話②

前回(#42 左右差の話①)の続きです。

フィットネスクラブで働いていた頃、「体の歪み」という切り口でパーソナルトレーナーのイベントがありました。これも左右差という視点も含まれています。切り口としてはインパクトがあるので、参加される会員さんも多かったように思います。

こういったイベントに対して良い悪いという話をするつもりもありません。「体の歪み」と呼んでいるそれを整えることで、会員さんがより健康な状態になるのであれば、それは良いことと言えるかも知れません。

ただ現場のスタッフ側としては、「体が歪んでると言われたけど、どうしたらいいの?」と聞かれると困るわけですね。「それはそのトレーナーに聞いて下さい」ということになります。

現在は病院で理学療法士として働いているわけですが、対象となる患者さんは理学療法を受ける理由がはっきりしていることが殆どです。「とりあえず左右差があるので、それを少しでも解消しましょう」とはなりません。何かしらの左右差が具体的な動作や症状に影響を与えていると考えられるケースでアプローチすることが多いように思います。

何かしらの左右差があると確認した上で、例えば、動作を観察することによって見えやすくなることもあると思います。つまりある左右差が具体的な動作のある局面において、「こうなるんじゃないかな?」といった観るポイントを絞るということです。これは左右差に限ったことではありませんが。

フィットネスクラブに来られる会員さんは、みんなが何も問題のない健康体というわけではないにしろ、日常生活は自立しており、さらにフィットネスクラブで運動をしようとされるようなレベルの人が殆どです(クラブの特性は色々ありますが)。

入会されたからには何かしらの目的があるわけですが、「体の歪みを解消したい」という目的の人はどれくらいいるのでしょうね。それが目的でない人に対して、実際の目的に触れずに体の歪みを指摘するのでは、噛み合わないような気がします。

「体の歪みが将来良くない影響を与えるから、今のうちに解消した方が良い」という考え方は、もちろんあると思います。ただ個人的な意見に過ぎませんが、「予防」という概念を「会員さんに対して」前面に押し出すのは、運動に対する動機づけとしては弱いように思います。

「○○にならないように」というのは、「本当に○○になるのか?なるとしたら、それはいつなのか?」という不確定なことに対して、不安を抱えながら取り組むことになりかねません。それなら「~がしたい」「~になりたい」「クラブが楽しい」といった方が、ポジティブな気持ちで取り組めそうです。

「体の歪み」に話を戻すと、側弯症といった標準的なアライメントに整えることが難しいケースがあることはもちろんですが、そういった明らかなものでなければ、例えばジムのトレーニングを適切に行っていれば、解消することもあると思います。

トレーニングマシンにしても、フリーウェイトにしても、フォームが重要なのは指導者であれば認識していることで、そのフォームを整えることを怠っていなければ、体も整ってくる可能性も高いと考えています。もちろん負荷などの要素も関係します。

適切かどうかは置いといて、クラブではベタとされる10回×3セット、つまり30回適切なフォームで行う、それを週2回で60回、1ヵ月で240回程度、半年で1,440回…変わりそうな気がしなくもないです。もちろんレジスタンストレーニングのみではなく、体操や基本動作の確認などと並行すればより効果的かも知れません。

レジスタンストレーニングに限りませんが、運動によって自身の姿勢や動きに対して、必要に応じて注意を向けることが出来るようになり、自己修正することが上手くなっていくと考えると、トレーニングの実施時間以外の質も変わってくると思います。それで十分という意味ではありませんが。

そういった観点から考えると、やれることはかなりたくさんあったなと振り返っています。書いている内に予定していた内容から、かなり逸脱したのでまた続きます。

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