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#29 パーソナルトレーナーという選択肢について

私自身はパーソナルトレーナーという肩書きで活動したことは殆どありません。ここでは「パーソナルトレーナーとは?」「パーソナルトレーナーとはこうあるべきだ」という話をするつもりもなく、またそういう立場でもありません。

前職では本社にてパーソナルトレーナー部門の担当をしていたこともあり、その頃の立場として、パーソナルトレーナーの方々にフィットネスクラブが期待することを述べさせて頂いたこともありますが、今は少し考え方が変わっています。前置きは全く重要ではありませんので本題に入ります。

細かな話は省きますが、パーソナルトレーナーの活動形態としては、フィットネスクラブなどの施設(会社)と契約を結び施設を利用する、仲介なくクライアントと直接契約を結び使用可能な施設(自宅やトレーナー個人の施設なども含む)を利用するなどがあります。

パーソナルトレーナーと一言で言っても、バックボーンが全く違うこともあり、そのため得意分野(専門分野)は多種多様だと思います。前職の立場としては、フィットネスクラブで活動されるからには、トレーニングにある程度精通していることを求めていました。トレーニングを全く知らない人をパーソナルトレーナーと呼ぶのかどうかは置いといて、トレーニング(運動)をしに来られている会員さんを相手にするのに、全く知らないというのは問題だというのが理由の一つでした。

パーソナルトレーナーの資格を発行している団体、例えばNSCAやACSMなどの教育内容を基準に考えると、トレーニングに関する知識は必須であると言えますが、実際には(時に便宜的に)パーソナルトレーナーという肩書きを使用して、トレーニング指導以外をメインに提供している方々もおられると思います。

「トレーニング指導以外に何をするの?」という疑問を持つ方もおられると思いますが、例えば徒手療法をメインに行う方もパーソナルトレーナーとして活動されているというケースがあります。資格、施設の方針などによって、パーソナルトレーナーの提供する内容は変わってくるのかも知れません。

理学療法士がパーソナルトレーナーという肩書きで活動することも可能だと思いますが、理学療法やリハビリといった文言を使用するのは問題がありますから、あくまで理学療法士の免許を持ったパーソナルトレーナーという形になるのでしょうか。

PT・OT・STなどのセラピストを対象者が指名することは、病院や施設の場合は出来ないことも多いと思います。一方でパーソナルトレーナーはクライアントが希望するトレーナーを選ぶことが出来ます(多忙で枠がないというケースもありますが)。この違いは大きいと思います。念のため確認しておきますが、病院や施設でも対象者がセラピストを選択出来るようになるべきと言いたいわけでもありませんし(これはこれで考えるべきことが多いと思います)、セラピストがパーソナルトレーナーになることを勧めているわけでもありません。

ただ、対象者に合ったパーソナルトレーナーの指導を受けられるという選択肢はあるに越したことはないと思います。以前の記事にも書きましたが(#24 フィットネスクラブが担えることを考えてみました。)、退院後はいわゆるリハビリというニュアンスよりもしっかりトレーニングをした方が良いと思えるケースもありますし、そういった場合はパーソナルトレーナーという選択肢も当然あると思います。

セラピストがパーソナルトレーナーとして活動することで恩恵を受ける対象者も多いと思いますが、これはこれで色々な側面から考える必要があるとは思います。今回はその点については触れませんが機会があればどこかで書くかも知れません。ただひとつ例に挙げるとすれば、脊髄損傷専門ジムといった、対象者を絞って専門的にアプローチするような施設に需要があることを考えると、何らかの障害があっても医療・介護保険の範囲内では受け入れ先がなかなかないケースもありますから、それ以外の選択肢があることで恩恵を受ける人もいると思います。

そういう意味において、パーソナルトレーナーは選択肢のひとつとして考えられると思います。質の担保や法や倫理といった視点は省いています。選択肢が増えることによって恩恵を受ける人が増えるのではという視点で今回は書きました。