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#26 時間がかかるのは当然のこと?

「短期間で結果が出る!」という謳い文句は、ダイエットやシェイプアップなどを取り上げて、メディアなどでよく見かけます。「短期間で変化すると、すぐに戻る」「そんな短期間で結果が出るわけない」という反論もあるでしょうし、「継続性の原則」の下、続けることが必要との説明もあると思います。

個人的な話を挟むと、フィットネスクラブで勤務していた頃、「筋量を増やして、体脂肪を減らす」ことを目的として、食事とトレーニングに変化を持たせた時期がありました(トレーニングはそれまでも定期的に実施していました)。具体的なやり方は触れませんが、最初の1ヵ月程度で数値も明らかに変化し(とは言っても、周囲径とInBodyの数値ですけど)、周りからもその変化が分かる程度でした。

「時間をかけてゆっくり変化させる」ことは目的ではなく、ある程度の変化を起こすにはある程度の時間がかかるという話です。もちろん極端な方法を行うことによる弊害や、大きな揺れ戻しが起こる可能性はありますから、そのことに関しては注意する必要は当然あります。

個人的な取り組みとして、「時間をかけてゆっくり変化させる」よりも、「ある程度早く変化させて、そこから緩やかな方法にシフトしていけば良い」と考えていました(あくまで個人的な話)。出来るだけ安全に変化させるという条件であれば、早く結果が出るに越したことはないと思います。短期間だからこそ集中出来るということと、高いレベルから更に高みを目指すというケースではなかったのでチマチマやってられないという気持ちがあったと思います。

当然のことながら、それまでの取り組みや、出発地点でのレベル、どれくらいのレベルを目指していくのかということで話が変わります。今回触れることは、やり方次第では「安全に早く結果が出せる」のに、「時間がかかるものだ」という思考停止や、ある種の言い訳になるとすれば、違和感があるなという話です。

フィットネスクラブで会員さんから、「○○筋を使ってる感じがしない」と聞かれることがありました。こういった質問に、「意識して下さい」「続けていけば分かるようになります」という回答を時々聞くことがあったのですが、多くの場合で適切な回答ではないと思います。そもそも「○○筋を使っている感じ」が必要なのかはここでは置いておきます。

「○○筋を使っている感じがしない」ことの原因は、フォームやスピード、動かす順番、末梢が力み過ぎている(例えばラットプルダウンの手指や前腕)などに問題があることが多いと思います。「○○筋が何処にあるのかよく分かっていない」ということもあります。そもそも日常生活において特定の筋を意識することは殆どないわけですから、特別な作業です。

上記が原因だと仮定すれば、「意識して下さい」「続けていけば分かるようになります」という回答は的外れということになります。本来は「今出来ること」「今分かること」なのに、それを放棄していては、指導の意味自体が問われることになると思います。

このように考えると、臨床においても同じことが言えると思います。一回の介入で対象者が何も知識や気づきや変化を得られなければ、それを積み重ねることで果たして目標が達成されるイメージが出来るのかと言えば、難しいかも知れません。もちろん現実は簡単ではないことも多いわけですけど、「いつかは良くなればいいな」と願っているだけではマズイと、自分自身に言い聞かせています。

ですから突破口を見出した時は、言語化し難いけれどもポジティブな感覚があります。「何でもっと早く分からんかったんや…」と思うこともよくあるわけですけども…。

「今出来ること」「今分かること」を出来るように、分かるように導くこと、その積み重ねだと思います。長期的な視野を持ちつつ、本来は「今出来ること」「今分かること」を見逃さずに、適切な介入が出来るようになりたいと考えています。

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