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#19 「質か量か?」を考える~ピッチング練習を例に~

練習やトレーニングの「質」と「量」の話題をネットなどでも時々見かけることがあります。さすがに「質VS量」という構図で展開するには無理があると思いますが、「質と量ではどちらが大事か?」という論調はたまに目にします。「質の高いものをたくさんの量をこなせば良い」という意見もあります。それが正しいとか間違っているとは思いませんし、どのような観点から考えるのかで違ってくる話だと思います。

多くの場合は具体的なケースが想定されておらず、またそもそも「質」とは何か?「量」とは何か?を定義づけをしていなければ結論も出ないと思います。ここでは結論を出すといった意図や、これが正しいといった主張をするつもりはありません。こんな考え方もあるかなということを、書いてみようと思います。

まず、「質」に関してですが、これだけでは広すぎるので、ピッチャーのピッチング練習を例に考えていきます。何の為にピッチング練習を行うかと言えば、ここでは「チームが勝つ為」としましょう。ピッチャーがいくら相手打線を0点で抑えても、味方チームが点数を取らなければ勝てないので、「負けない為」とも言えますが、チームで考えるとやはり「勝つ為」とした方が話の展開としてはやりやすいのでそれでいきます。

つまり、勝つ為、ピッチャーの立場で言えば相手打線を抑えるピッチングが出来るようになることが、ピッチング練習の目的であり、その目的を達成する可能性が高い内容ほど、「質の高い練習」と言えると思います。今回は、「相手打線を抑える可能性が高まる練習ほど、質の高い練習」と勝手に定義します。では、相手打線を抑える為の要素について思いついたことを適当に並べていきます。あくまで適当にです。

①怪我のリスクが少ないスムーズなフォームで投げられること
②より速いボールを投げられること
③切れのある変化球を投げられること
④多くの球種を投げられること
⑤違う球種やスピードでも一定のフォームで投げられること
⑥狙ったコースに投げられること
⑦ワインドアップでもセットアップでも殆どパフォーマンスが変わらないこと
⑧疲労を遅らせること、また疲労による極端なパフォーマンスの低下を防ぐこと
⑨どんな環境・状況でも(ホームやビジター、ピンチなど)安定したパフォーマンスを発揮出来ること
⑩調子が良くなくともそれなりのパフォーマンスが発揮出来ること

意見の相違があるのは当然ですが、これらは話を進める上で活用していくネタみたいなものなので、ご了承下さい。ではそれぞれの番号を達成させる手段を適当に考えていきます。

①怪我のリスクが少ないスムーズなフォームで投げられること
→練習が主になると思います。何かしらの身体機能がこれを阻害している場合は、その機能に対して個別で対応する必要があるかも知れません。

②より速いボールを投げられること
→フォームを改善することで、ある程度望めると思いますが、それだけでは頭打ちになる可能性が高いので、トレーニングによって必要となる体力要素を向上させることで、更に伸びるかも知れません。

③切れのある変化球を投げられること
→練習が主になると思います。球種によるかも知れませんが、②を伸ばすことで伸びることもあると思います。

④多くの球種を投げられること
⑤違う球種やスピードでも一定のフォームで投げられること
⑥狙ったコースに投げられること
⑦ワインドアップでもセットアップでも殆どパフォーマンスが変わらないこと
→練習が主になると思います(④~⑦)。

⑧疲労を遅らせること、また疲労による極端なパフォーマンスの低下を防ぐこと
→練習が主になると思いますが、トレーニングによって伸びしろを増やすことが出来るかも知れません。

⑨どんな環境・状況でも(ホームやビジター、ピンチなど)安定したパフォーマンスを発揮出来ること
→実戦で培う部分が大きいと思いますが、メンタルトレーニングの類で普段からアプローチ出来るかも知れません。

⑩調子が良くなくともそれなりのパフォーマンスが発揮出来ること
→練習と実践が主になると思いますが、運動調整能力に着目したトレーニングを行うことで、高めることは出来るかも知れません。

もう一度確認しますが、話を進めていくネタみたいなものですから、厳密性には欠けます。これらはそれぞれ独立した要素ではないですが、便宜的に分けています。確認するまでもないかも知れませんが、これらを実際に進める上で関わる専門職は何だとか、専門性の話はここでは全く関係ありませんので悪しからず。

さて本題に入りますが、主にピッチング練習で高められることと、トレーニングを平行して行うことで高められる(可能性が高まる)ことがあると言えます。今回は、「相手打線を抑える可能性が高まる練習ほど、質の高い練習」と勝手に定義しました。抽象度を下げて質を考えると、ひとつの番号のみをピックアップしても成り立つとは思います。しかし細かくしようと思ったらいくらでも出来ますから、「そもそも何の為に」を考えた方が整理しやすいので、今回はそのような切り口で展開しています。

そう考えると、ピッチング練習もトレーニングも質を高めることに繋がると言えますし、例えば①の「怪我のリスクが少ないフォームで投げられること」や、⑧の「疲労を遅らせること、また疲労による極端なパフォーマンスの低下を防ぐこと」を達成する為には、運動学習の観点から考えれば、球数つまり「量」が必要になります。疲労や集中力の低下や何らかの違和感や痛みなどが、量を遂行することを阻害しますから、その量の設定は体力レベルや状態によるということになります。時間的な制約や疲労を残すことで後の課題に悪影響を及ぼすといったことも考慮すべきことになります。

「投げ込み」という言葉が独り歩きして、良い悪いの話になることがありますが、何の為の投げ込みかということと、そもそも「投げ込み」って何?というところから本来は確認しないと、話は噛み合いません。

このように考えていくと、トレーニングも結局のところ、「相手打線を抑える可能性を高める」ことに繋がるわけです。トレーニングにフォーカスしてトレーニングの質を考えると、高めたい体力要素を安全に効率的に効果的に高められる内容なのかという話になると思います。くどいようですがそのように実施されたトレーニングは、「相手打線を抑える可能性を高める」ことに繋がるわけです。そういった関連性を頭に入れて考えると整理しやすいのではと思います。

まとめると、勝手に定義して話を展開したわけですが、このように考えると「質か量か?」という問いには少し違和感があります。「目的に合致した内容ほど質が高い」とすると、結局のところ「何の為に、何を、どうするのか?」という話に落ち着くのかも知れません。

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