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#17 カテゴリーに分けることと、その中身について~筋力トレーニングを例に~

例えば、「筋力トレーニング」という言葉から考えると、「筋力」を「トレーニング」する方法と捉えることが出来ます。筋力トレーニングと聞いてイメージする種目は人それぞれで、シットアップかも知れませんし、ダンベルアームカールかも知れませんし、スクワットかも知れませんし、同時に色々思い浮かぶ人もいるかも知れません。

それらは全て「筋力」を「トレーニング」するものかと言えば、フォームや速度、トレーニング頻度、負荷や回数や休息時間といった変数によると言えますし、その他栄養や休養や個々のトレーナビリティ、ある種の疾患の有無や障害の程度など、様々な要素が関係します。ですから、動作の型だけを取り上げて、それを「筋力トレーニング」と呼ぶことは正確ではありません。

結果的に筋力が向上すれば筋力トレーニングと呼ぶとすると、例えば対象者によっては基本動作自体がある筋の筋力を向上させるものになり得ますので、それを筋力トレーニングと呼ぶのかというと、それもややこしいですね。第一の目的は別にあるけれども結果的に筋力が向上するといった場合では、第一の目的が動作の習得や上達であったり、あるバランス能力の向上であれば、動作練習、バランストレーニングなどの名称で呼んだ方が分かりやすいのかも知れません。

そのように第一の目的を表す名称で呼ぶことが分かりやすいと思いますが、「筋力」を「トレーニング」する為の原理原則を理解しているのであれば、臨床においては名称は大した問題ではないとも言えます。少なくとも個々の臨床においてはという話ですが。

細かく考えていくと、「スクワット」と一言で言ってもフォームは色々考えられますし、ターゲットとしたい筋群(結果的に動員されるという視点もありますが)の筋力向上を図る為の適切な変数で行うにしても、「筋力だけ」に影響を与える訳ではありません。

パワー、各種持久力、協調性、柔軟性、腱や骨強度などへの影響が考えられます。影響が考えられるというのは、必ずしも向上や改善するわけではないということです。また当然のことながら姿勢制御や運動学習の視点もあります。こういうことは、指導する側は当然考えているはずですが、毎回こういった説明を入れるのはあまりにも非効率なので、こういったことは暗黙の了解として話をすることが多いと思います。

いわゆる筋力トレーニングにカテゴライズされるような運動に限らず、「その運動にどのような要素がどの程度含まれているのか」を理解することが出来れば、あとは目的に応じて選択し工夫を施せば良いと思います。運動学的に、運動生理学的に、神経科学的に考えることが出来れば、「型を覚えてその通りに行う」「◯◯の効果は□□だ」などといった形骸化や思考停止は起こりにくいと思います。一般向けのエクササイズ紹介程度のものでも、ヒントを得ることが出来るかも知れません。

そういう視点でマスコミが取り上げているようなエクササイズなどを観ると、何を狙っているのか、どの部分を強調しているのかが分かるようになると思います。「その目的ならばこうした方が良いのでは?」と感じることもあるでしょうし、「そういう切り取り方もあるんだな」と感じることもあると思います。

型だけを見て、「そんなの意味ない」と切り捨てる前に、色々想像してみることで気づきを得たりアイデアが生まれるかも知れません。想像が合っているかどうかは大した問題ではないので、考えるきっかけにすれば良いと思っています。

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