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#16 目標を達成する為の手段の選択について

「体幹トレーニングよりも、まず土台作りの為にスクワットなどのベーシックなトレーニングをするべき」という意見は、もちろん文脈によりますけどそのような視点は重要だと思います。本当はまず体幹トレーニングとは何かという話からですけど。「チマチマ部分を鍛えずに、負荷をかけて全身をしっかり動かした方が良い」と思えるケースは確かにあると思います。

ここでは少し視点を変えて考えてみます。○○筋の筋力、○○筋と△△筋のバランス、その他の体力要素を、「トレーニングだけ」で考えると、「出来るだけ全身を効率良く鍛える為には、スクワットやデッドリフトなどのレジスタンストレーニングは優先順位として高い」ということも出来るかも知れません。

しかし、対象者のニーズ、現状の各体力要素のレベルとバランス、日常生活や仕事や趣味などを考慮することで、違ってくるかも知れません。例えば酒屋さんだとしたら重いものを持ち上げる、運ぶ、降ろすといった作業を仕事中に何度も行うかも知れません。例えばそこで、「デッドリフトなどのトレーニングで鍛えればより楽に仕事が出来る」と考えることも出来ます。

「腰が痛いんです」という訴えがあれば、出来れば実際のものを使って動作を行ってもらい、修正が必要であれば修正することもあると思います。仕事の影響がどれだけ影響しているかは分からずとも、特徴的な姿勢を呈している場合で改善の必要性があり、改善の見込みがあると判断すればアプローチするかも知れません。

仕事の動作だけでなく、各基本動作にも共通した問題を見出すことが出来れば、各基本動作の修正を行うこともあると思います。「腹筋群をもっと使えるようにする必要があると言ってるのに、その寝返りや起き上がりは無視するんか〜い」みたいなことは、臨床ではよくあるように思います。

「○○筋が弱いので、代償的に腰に過度なストレスがかかっている」と考えるならば、「○○筋の筋力増強を図る」かも知れません。それがもしかしたら体幹トレーニングと謳われているトレーニングになる可能性はあります。その他、徒手療法を行ったり、仕事の作業手順や環境整備などに目を向けて提案することなども考えられます。

色々適当にアプローチを並べてみましたが、結局のところはケースバイケース(便利な言葉)ですし、極端な話、全部必要だと判断すれば全部すれば良いと思います。そもそもひとつで事足りるということは少ないでしょうし、段階的に考えるとずっと同じことをするわけではないかも知れません。

具体的には優先順位や時間などを考慮する必要がありますけど、わざわざ最初から選択肢を限定する必要性があるのかを考える必要があると思います。

現場は目的に合った具体的なアプローチを選択する必要があります。「ここが問題だろう」と見立てを立てるわけですが、視点や引き出しが少ないと(知識と技術に置き換えても良いと思います)、視野が狭くなったり適切な評価が出来ないと思います。例えば、◯◯に対するアプローチについて学んだ時に、「今まで◯◯のことは考えてなかったけど、これからは◯◯のことも確認しよう」と視野が広がり、◯◯の影響で何らかの不具合があるケースでは適切な技術を用いて改善出来るかも知れません。

理学療法士であれば、筋トレ屋さんでも関節可動域訓練屋さんでも基本動作練習屋さんでも特定のアプローチ屋さんでもありません。目的に合った手段を選択して目標を達成することが求められます。ですから、わざわざ最初から手段を狭める必要もないと思いますし、色々な視点を持って色々なことが出来るに越したことはないと感じます。

技術の向上は必要だと思いますが、それぞれのアプローチをマスターすることは目的ではないですから、必要に応じて適切なアプローチを行えば良いと考えています。引き出しは、外部で学ぶ技術だけでなく、ふとした時に思い浮かんだアイデア、臨床の中で工夫して生まれた知恵など色々あると思います。

例えば免許も指示もなく鍼や灸を行うことは論外だとしても、わざわざ自ら選択肢を狭める必要はなく、よりベターなアプローチは何かと常に考えていけば良いのではと思います。「これが出来たらより良いだろうけど技術不足だ」という場合であれば、他を選択することになると思いますし、技術を磨いていくかも知れません。

確認しておきますが、特定のアプローチに熱心な人を批判しているわけではありません。私の知る限りの話ですが、特定のアプローチに熱心な人は関連する技術レベルは高いですし、アイデアが豊富という方も多い印象があります。熱心さや集中力の高さは凄いと思いますし、意外とそういう人は柔軟な考えを持っていることも多い気がします。そう感じるのは私自身も特定のアプローチを学んでいる中で、よく出会うからです。

それを断った上でまとめると、結局のところはより高い実現可能な目標を達成させる、その為に何をどうするかということが重要だと思います。患者さんが「歩けるようになりたい」と考えてはいても、「◯◯法で歩けるようになりたい」とは殆どの方は考えないと思います。それなら、歩けるようになる為によりベターなアプローチを適宜選択すれば良いのではと考えています。

例えば、「体幹トレーニング」をしていることだけを取り上げて、「あんなチマチマせずに、スクワットやデッドリフトをすれば済む話だ」とはならないと思います。体幹トレーニングはあくまで例ですが、何を行うにしろ手段が先に立つことはないと考えると、手段だけを取り上げてああだこうだと批判することは出来ません。

対象者の目標を達成する為によりベターな手段を選択するわけですから、外から手段だけを取り上げるのは変だと思います。もちろん狙っていることと、やっていることが違うように見えることはあるかも知れませんが、確認せずに批判するのは余計なお世話になりますね。

大きな括りでは◯◯屋さんになるかも知れませんが、対象者の目標を達成することをサポートする仕事として、結果を出せるようになりたいと考えています。

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