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#13 「◯◯には□□だ」〜階段昇降の方法を例に〜

「行きは良い良い、帰りは悪い」。階段昇降を二足一段で実施する際に、よく言われるフレーズです。昇段は良い方の下肢から、降段は悪い方の下肢から出しましょうと説明される、覚えやすい便利なフレーズです。

先日、実習生が見学をしていて、「何故、どちらも右下肢から出していたのですか?」と質問を受けました。「行きは良い良い、帰りは悪い」を基準に考えていたので、それは素直な質問だと思いました。具体的な対応や説明は省きますが、これを例に考えていきたいと思います。

何故、「行きは良い良い、帰りは悪い」なのか、「良い」「悪い」とは何が良いのか悪いのかということを考える必要があります。関節可動域制限、筋力低下、運動麻痺、感覚障害、疼痛など、さまざまな機能障害がありますが、それはどの部位のそれなのか、その程度はどれくらいなのか、単純に良い方と悪い方に分けられるのか、そういったことを実際のケースでは考える必要があると思います。

そして、二足一段と言ってもどのように階段昇降を行うのかという具体的な動作があります。現状では明らかに標準的な動作では困難であるといったケースは臨床ではよくありますから(二足一段自体そうとも言えますが)、その中でより実用性の高い動作は何か、どのように進めていくかを考える必要があると思います。

そのように考えると、必ずしも「行きは良い良い、帰りは悪い」に当てはまらないことも出てきますし、どちらが良い悪いと明確に言えないということもよくあると思います。便利なフレーズですし、当てはまることも多いですが、これに限らず単純に「○○には□□だ」とアプローチしていては上手くいかないことも多いと思います。

時間を考えると、ずっと二足一段で行うのか、一足一段へ将来的には移行するのかということもあります。手すりの有無や段差の高さによって変えることもあるでしょうし、結局それらは当然ケースによるということになります。

練習の際に、二足一段でも様々なパターンを練習するかどうかということもあります。安全を配慮して、「必ず昇りは右脚から、降りは左脚から」をとにかく間違わないように強調する必要があるケースもあると思いますし、うっかり間違えて慌てて修正しようとして転倒するといったことを考えれば、様々なパターンで練習して柔軟に対応出来る可能性を高めておく必要があるケースもあるかも知れません。

「○○には□□だ」というフレーズ自体を根拠にアプローチすることで、上手くいかない、望ましくない結果になることもあるかも知れません。今回の話は実習生に向けた内容を簡単に書いたわけですが、このような例に限らずステレオタイプ化、思考停止に陥らないように自分自身も考える必要があると、実習生と話をして思った次第です。

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