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#12 「このままでは大変なことになりますよ?」

「このままでは△△になりますよ」と言って、「△△にはなりたくない」と思わせるように、気にしていないことを気にさせる、大した問題ではないことを大した問題のように思わせるよりも、「◯◯になりたい」「◯◯が出来るようになりたい」という要望を優先する方が良いと思います。

わざわざ(あるかないかわからない)マイナスを作って、お金と労力を費やしてもらって、「ゼロに持って行きましょう」というのは、自作自演だと思います。気にして過ごした時間、不安で過ごした時間を考えると、プラスマイナスゼロではなく、むしろトータルで言えばマイナスだと考えることも出来ます。

報酬の観点から考えると、例えば「身体が歪んでいるので、このままでは大変なことになりますよ」と、自覚のない対象者に言っても、対象者は何を報酬に行動するのでしょう。

強引に考えると、将来的な危険を回避する(健康を保つ)という報酬かも知れませんが、そもそも自覚していないわけですから、専門職側が勝手に設定したものが、行動する動因にはなりにくいと思います。

不安を煽って行動させるよりも、「出来るだけ長くやりたいことを続けたい」といった希望を動因とし、将来の報酬をイメージして行動する方が意欲的に取り組むことが出来るでしょうし、それがより効果的な学習に繋がると言えると思います。他者から一方的に与えられた不安と課題を、意欲的に取り組むことは難しいと思います。

また、相手の訴えや要望に耳を傾けず、個別性を考慮せず、何らかの評価法を用いて、「標準より低いですね。頑張りましょう。」と一方的に課題を与えるスタイルは、極端に言えば個別に対応する能力がなくても出来ます。対象者の役に立たなくとも、商品としては成立しやすいのかも知れません。

もちろん何らかの評価法を用いること自体が良い悪いという話ではなく、あくまで上記のようなケースがあるとすれば、個人的にはどうなのかなというだけの話です。

将来的に何らかの不具合が生じると予測されることはありますが、それを前面に押し出して「△△にならないように」というよりも、要望に応える為の取り組みの中で、さりげなくアプローチすれば済むことも多いと思います。よっぽど意識づけする必要がある以外は、わざわざ強調する必要はないように思います。

「シェイプアップがしたい」という対象者に、「その前に姿勢が悪いですね。このままでは膝を痛めますから、シェイプアップはその後ですね。」と対応すると、「◯◯がしたい」という気持ちから、「△△になりたくない」という気持ちの変化が生まれるかも知れません。

そもそも、運動やトレーニングを指導する上で、姿勢を無視することはないでしょうし、姿勢が良くなればそれもシェイプアップに繋がるはずです。わざわざ分けて考えなくとも関連性が頭に描けていれば、必ずしも別々で考えて別々のアプローチをする必要はないと思います。対象者の意欲を専門職が削ぐことがないように、気を付けたいと思います。

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