アーカイブ

#11 出来るように導きたい②~言葉を選択する~

前回の続きです。

立ち上がりでよく聞く、「お辞儀をしてきて下さい」という言葉掛けがあります。これは重心を前方に移動させる為の言葉掛けだと認識しています。もちろん対象者によって引き出される運動が違ってきますが、お辞儀というと脊柱が屈曲してくるケースが多いように感じます。

脊柱はある程度ニュートラルに保って、股関節を屈曲させていくように誘導したいならば、「お辞儀をしてきて下さい」では上手くいかないかも知れません。だからと言って、「背筋をまっすぐにして、股関節を曲げてきて下さい」という言葉掛けをしても、「股関節って何処?」となるかも知れません。そういう場合は、視覚を利用したり、鼠径部から折りたたむように鼠径部に手を添えるなり、何か別のアプローチが必要になります。

どのようなアプローチが正解かという話ではなく、引き出したい運動に導くアプローチをすることが必要です。これは専門職の技術です。学校で学んだりはあまりしないと思いますが、個人的には臨床ではかなり重要なことだと考えています。

同じ言葉でも、人によってそのイメージ、言葉の意味すら大きく違うこともあると思います。言葉の意味を間違って覚えていることもあり得ます。同じ言葉でも、ポジティブもしくはネガティブなイメージを持っていたり、温度を感じたり、色を感じたり、思い出とくっついていたりと、場合によっては個人差がかなり大きいこともあると思います。

専門職自身が持っているその言葉のイメージが、対象者と同じと考えると、上手く言葉を利用出来ないかも知れません。大事なのは対象者がその言葉をどのように捉えるかというところです。先程のお辞儀をとっても、「お辞儀って普通はこうでしょう?」と思っていても、相手がそう思ってなければ、引き出したい運動を引き出せないことになります。

例えば「可愛い」「格好良い」と感じることに、個人差があることはよくわかると思います。「マッチョ」という言葉もそうですね。同じ対象でも、「細マッチョ!腹筋割れてる!」と思う人もいれば、「何が細マッチョだ!あんなのただのガリガリだ!」と、何故か怒る人もいます。それはそれぞれの主観ですから、どちらが正しいとか間違っているという話ではありません。

ですから、その言葉をどのように捉えているか、どのようなイメージを持っているかというのは、臨床においても考慮する必要があります。「確認しなくてもわかる」という達人はいるかも知れませんが、確認しないとわからないことは多くあると思っています。意思疎通が困難なケースであっても、想像することと配慮することは省略すべきでないと考えています。

例えば、「細マッチョが好きやねん」というお姉さんに、「じゃあ紹介しよか?」とお姉さんの中の細マッチョを確認しなければ、紹介して後から「あれはゴリマッチョや!」と何故か怒られるかも知れません。

まとめると、臨床でも対象者のマッチョのイメージを確認する必要があるということですね。とても大事なことだと思います。

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

スポンサーリンク
ブログ用PC

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
ブログ用PC