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#5 予備能力の話②

前回#4 予備能力の話①の続きです。

一部の指導者はレジスタンストレーニングをファシリテーションテクニックとして捉えているように感じることがあります。つまり筋力を向上させる訳ではなく、筋力を発揮させやすくする、身体を動かしやすくする為の言わばウォーミングアップのようなものをレジスタンストレーニングと捉えているのではということです。

ファシリテーションをして終了では、「筋力」は向上しないわけで、筋力を向上させるなら過負荷の原則、漸進性の原則に従う必要があります。もちろん、ファシリテーション自体は目的に合っていれば良いのですが、こと筋力の向上を目的と考えると、その手段として効率的・効果的かと言えば疑問です。

ウォーミングアップみたいなものですから、身体が動かしやすくなる、楽に感じるということは起こり得ます。そういう状態で日常生活を送ることが出来れば確かに快適でしょうし、日常生活の中で必要に応じて取り組むことが出来れば、コンディショニングの上で有効な手段のひとつになるかも知れません。

身体を動かしやすくすることで、重いものを持ち上げやすくなる、楽に歩くことが出来るといったことにも繋がると思います。しかし、それは予備能力を向上させるということとは別に考えた方が良いと思います。何故ならそれらは、現状の能力を引き出すということですから、現状の能力を引き上げることとは別と考えられるからです。

もちろん身体を動かしやすい状態で運動を行うということは、普段から使っている筋を更に使いやすくするだけでなく、代償的に過度に動員している筋を抑制し、反対に上手く使えていない筋を使いやすい状態にすることも考えられます(ぼんやり言えば協調性の改善)。それだけでは十分でないとしてもより効率的な身体の使い方の学習に繋がるとも考えられるので、今まであまり動員していなかった筋を動員することによって、その筋力が向上するといったことは考えられます。

ただそういったケースを考えても、それだけではいつかは頭打ちになるわけですから、結局は土台となる体力要素を向上させることが予備能力の向上に必要になります。ですから、「筋力より身体の使い方が重要だ」という主張には違和感があります。それについてはまたの機会に取り上げる予定です。

これまで筋力を例に挙げてきましたが、筋力は体力要素のひとつに過ぎませんし、運動を考える上では明らかに不十分です。出来るだけシンプルに話を進める為の便宜的な表現であることをご理解頂ければ幸いです。

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